国際高麗学会日本支部 第26回学術大会のお知らせ ※終了しました
この度、下記の通り学術大会を開催いたします。会員の皆様はもちろん、非会員の方々もお誘い合わせの上ぜひご参加ください。
★今大会のシンポジウムではZoom上で韓国語⇔日本語の同時通訳を ご利用いただけます。会場でのご利用をご希望の方は、Zoomが 利用可能な端末(PCやスマートフォン)とイアフォンをご持参ください。
★当日資料はこちらからダウンロードできます。
日 時: 2022年6月11日(土)10:00~17:00(受付9:30から)
主 催: 国際高麗学会日本支部
共 催: 国際高麗学会
シンポジウム:『MZ世代の登場と変わりゆく韓国社会』
開催方法:会場+オンライン(Zoom)
会 場: 大阪教育大学天王寺キャンパス 西館 E教室・F教室
https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~syotou/access/index.html
〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88
JR天王寺駅、地下鉄天王寺駅、近鉄大阪阿部野橋駅下車、徒歩約10分
JR寺田町駅下車,徒歩5分
参加方法:
・参加費無料、お申込み不要です。どなたでもご参加いただけます。
・会場参加をご希望の方は直接会場にお越しください。
・オンラインの方は当日に上記URLよりお入りください。
・韓国語⇔日本語の同時通訳をご利用いただけます。
———– プログラム ———–
10:00-11:30 【第一部】自由論題 司会:金 友子(立命館大学)
朝窒コンツェルンの評価に関する研究史的考察 ―書籍を中心にして― 任 正爀(朝鮮大学校)
核革命以後における緩衝システム理論の模索 ―北朝鮮の核兵器高度化を事例として― 崔 正勲(立命館大学)
日本における朝鮮語教科書の変遷 ―音韻・音声的項目を中心に― 平田 絵未(大谷大学)
12:45 国際高麗学会日本支部 総会
13:30-17:00 【第二部】公開シンポジウム
『MZ世代の登場と変わりゆく韓国社会』
2022年3月に行われた韓国第20代大統領選挙をめぐって韓国中で繰り広げられた論戦と社会の反応は、「ろうそく革命」の熱気に満ち溢れた中で実施された5年前の第19代選挙時のそれとは、さまざまな点でかなり多くの相違点を見せている。
「進歩対保守」という伝統的な政治志向/政党間の対立状況が全くなくなったわけではないが、そうした政治的二項対立の観点だけでは収まり切れない論点の広がりが、現代韓国社会の変容を象徴しているように見える。とりわけ、MZ世代と呼ばれる20代30代の若い世代が、社会的な議論の場に大きな影響を与えるようになった点は刮目に値する。5年前の大統領選挙の時でさえ、彼らは進歩派を支持する中核層とみなされていた。しかし現在の彼らMZ世代は、進歩政権下でも実現できず一層深刻さを増した韓国社会の過剰な競争主義、過酷な進学・就職競争に疲れ果て、拡大する社会・経済格差に将来の生活を見通せず、それが世界的にもまれにみる出産率の低下を招くなど、すでに彼らが「進歩」の名に込めてきた期待感・信頼感は喪失されつつあるようだ。それは社会・経済政策で失点を重ねながらも、おごりともとれる発言を繰り返した進歩派政権与党への反発もあるだろう。
しかしより深刻なことは、多くの社会調査が明らかにしているように、南北の民族統一に反対/無関心と答える者の比率がMZ世代においては半数強を占め、さらにMZ世代の中でもMe Too運動やフェミニズム意識の拡大に露骨な拒否感を示す男性層の存在が明らかになっている点である。寛容性が失われた社会の中で、世代や性別間に深い対立や分断を新たに招きつつあるのではないか。以上の問題点については、「若者の保守化」という見方が、すっかり定着した日本社会との比較検討も意味のあることだろう。
今年度学術大会シンポジウムでは、現在進行形で変わりゆく韓国の社会状況を、政治・政党議論のレベルを超えた、より深層で把握することを課題とする。現代韓国社会に詳しい日韓の論者をお招きし、それぞれの発言を契機として会員全体における活発な議論を期待したい。
基調講演 | 鄭 大珍 さん | |原州漢拏大学校 |
パネリスト講演 | 福島 みのり さん | |名古屋外国語大学 |
堀山 明子 さん | |毎日新聞 | |
総括コメント | 金 成眠 さん | |ソウル支部支部会長・建国大学校 |
コメント/司会 | 鄭 雅英 さん | |日本支部会長・立命館大学 |
鄭 大珍 |ちょん てじん
韓国 原州漢拏大学校グローバルビジネス学部・東北アジア経済研究院教授。国立統一教育院江原統一教育センター事務所長。韓平政策研究所平和センター長。延世大学校統一学博士。
南北関係・外交安保ニュースコメンテーター(KBS、MBC、SBS、YTN、連合ニュースTVなど)。
主な共著に『韓半島スケッチ北(ブック)』、『公正な国際秩序と韓半島の持続可能な平和』など。主要論文に「南北韓統合の法的争点」、「北韓の外国人投資法制と行政訴訟導入」、「統一教育法制の変化と地方政府の役割」など。
福島 みのり |ふくしま みのり
名古屋外国語大学現代国際学部准教授。早稲田大学招聘研究員。現代韓国朝鮮学会理事。韓国延世大学大学院社会学科博士課程修了(社会学博士)。
専門は世代・ジェンダーの日韓比較/韓国の大衆文化、若者論、現代韓国社会論など。
共著に『現代韓国を知るための60章』(明石書店 2014)。主要論文に「世代論から読み解く韓国若者論の変容 -新世代・88万ウオン世代・N放世代を中心に-」(特集論文「世代から見えてくる韓国」(『現代韓国朝鮮研究』第20号、2020年)、「『82年生まれ、キム・ジヨン』に熱狂する日本の読者のその後(韓国語)」(『文化科学』2020年夏号)など。
堀山明子 |ほりやま あきこ
毎日新聞外信部デスク。
1980年代末に韓国・梨花女子大に1年留学し、女性学を学ぶ。ソウル特派員として2度赴任(2004~2009年、2018~2021年)。2020年には欧米を含む外信記者が所属するソウル外信記者クラブ会長を務める。フェミニズムや韓国社会の変化を記したコラム「韓流パラダイム」を毎日新聞のウェブサイトに連載中( https://mainichi.jp/premier/politics/ch190742238i/ )
鄭 雅英 |ちょん あよん
立命館大学経営学部教授。1958年日本生まれの在日コリアン2世。早稲田大学卒業、大阪市立大学院経済学研究科にて博士学位(経済学)取得。
中国朝鮮族のナショナリティ・エスニシティ、解放後在日韓国人学生の学生運動史などを研究。今大会まで国際高麗学会日本支部代表。
【お問い合わせ】国際高麗学会 日本支部事務局
isksj@isks.org https://isks.org
過去の学術大会
第25回 | 女が書く、女を書く―文学の中の在日朝鮮人女性 | 21.6.30 | |
第24回 | “韓国併合”110年―日本による植民地支配の比較研究:戸籍制度から見る人的管理制度を中心に | 『コリアン・スタディーズ』第9号 | 20.10.31 |
第23回 | 3・1独立運動の多元的可能性 | 『コリアン・スタディーズ』第8号 | 19.6.8 |
第22回 | 朝鮮半島の民俗芸能と在日コリアン | 18.6.10 | |
第21回 | 躍動する韓国市民社会と日韓関係-文在寅新政権の行方 | 『コリアン・スタディーズ』第6号 | 17.6.3 |
第20回 | 日本の新安保法制と東アジアの安全保障 | 16.6.4 | |
第19回 | 新たな米中関係下の日韓関係の在り方について考える | 『コリアン・スタディーズ』第4号 | 15.6.6 |
第18回 | ヘイト・スピーチ、排外主義の台頭と在日コリアン | 『コリアン・スタディーズ』第3号 | 14.6.8 |
第17回 | 朴槿恵新政権の誕生と日韓関係の行方 | 13.6.1 | |
第16回 | 揺れる朝鮮半島~金正恩体制と韓国大統領選挙の行方~ | 12.5.27 | |
第15回 | 在日コリアンをめぐる今日的課題 | 11.6.5 | |
第14回 | 「韓国併合」100年と日韓・日朝関係 | 10.6.13 | |
第13回 | 世界同時不況化の韓国社会~彷徨う企業と若者たち | 09.6.6 | |
第12回 | 韓国における政権交代と南北関係の行方 | 08.5.25 | |
第11回 | 在日コリアン研究の現状と現状と課題 | 07.5.20 | |
第10回 | どうなる日韓関係:韓流と嫌韓流、二つの潮流を読む | 06.5.20 | |
第9回 | インターネット時代のメディアと市民参与 | 05.11.20 | |
第8回 | 在日コリアンの民族教育 | 04.11.28 | |
第7回 | グローバリゼーションと韓国社会 | 03.11.30 | |
第6回 | 在日コリアンフォーラム-在日コリアンと公共性 | 02.11.23 | |
第5回 | 在日コリアンの現状と未来 | 00.11.19 | |
第4回 | 朝鮮と日本の近代100年 | 99.11.21 | |
第3回 | 南北朝鮮の新体制と経済政策 | 98.11.15 | |
第2回 | 現代韓国の政治と経済 | 96.11.10 | |
第1回 | 解放・分断の50年 | 95.10.10 |
その他の大会
国際高麗学会日本支部創立20周年と『在日コリアン辞典』出版を祝う会 | 10.11.27 | |
国際シンポジウム「激動する朝鮮半島と北東アジア」 | 01.6.9 | |
シンポジウム「韓国経済の展開と構造」 | 00.5.13 |