立命館大学産業社会学部創設60周年記念プレ企画―孫石熙(ソン・ソクヒ)先生の講演会―
立命館大学産業社会学部創設60周年記念プレ企画 ―孫石熙(ソン・ソクヒ)先生の講演会―
- 企画趣旨とねらい
戦後80年を迎えようとする2024年、国内外の情勢と社会の構造が大きく変化している。世界各地では戦争や民族紛争が相次いでおり、環境・社会問題や南北問題、格差問題など、さまざまな問題と課題も山積しているが、冷戦終結後の世界を席巻した戦争と紛争、内戦の惨禍は今なお止まるところを知らない。ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まって2年が経っており、イスラエル・パレスチナ戦争をはじめ、世界各地では現在も戦争・紛争が続いている。アフリカや中東、東南アジアでは戦火に伴う深刻な人道危機は後を絶たないし、周辺国の安定を脅かすことが危惧されている。
東北アジアに目を転じると、これまで「東アジア共同体構想」など地域内相互協力や総合理解の試みや努力がなされたが、なかなか成功をみていない。北朝鮮と韓国の対立をめぐる朝鮮半島の危機、平和主義の路線から中国と北朝鮮抑制に向けて「戦争ができる国」へとますます軍事大国化と日米の軍事一体化を進めている日本、そして台湾でも懸念が高まっている中国の武力侵攻の可能性など、東北アジアをめぐる情勢は緊迫している。
そこで本講演会では、今年4月から産業社会学部客員教授として着任した韓国のジャーナリスト・孫石熙(ソン・ソクヒ)先生をお招きし、東北アジアの安全と平和についてあらためて考える場を設けたい。ソン先生が1年間にわたって11ヶ国を直接回りながら、世界的なオピニオンリーダー40人との対談を行い制作した韓国のドキュメンタリー番組『三つの戦争』(2023年1月韓国にて放送)の一部を上映しつつ、東北アジアの平和と安全保障、「共存・共栄の関係」を築くための課題を模索したい。講演会は立命館大学の教学理念である「平和と民主主義」の理念を社会一般に広く伝える意味もあるが、何よりも産業社会学部創立60周年記念プレ企画・産業社会学部の国際化を推し進める取り組みの一環として位置づけたい。一般市民に公開することによって、産業社会学部の学際性・多様性をアピールしていきたい。
- 講演会の内容
(1) ドキュメンタリー番組『三つの戦争』
・韓国の放送局JTBCが制作したドキュメンタリー番組で、2023年1月25日~27日にかけて韓国にて放送
・ドキュメンタリー番組は第3部で構成
第1部は、ウクライナとロシアとの戦争を取り上げた『冬の戦争』
第2部は、東北アジアの問題を扱った『トゥキュディデスの罠』(Thucydides Trap)
第3部は、気候・環境問題(戦争)を扱った『最後の日 スバルバール』
(2) 講演は第2部『トゥキュディデスの罠』(約60分)を中心に展開
・講演用として編集した第2部の映像(約38分)を上映しながら、講演を進めていく。
・講演内容: 新型コロナウイルス以後さらに触発された脱グローバル化、米中新冷戦ともいえるアメリカと中国との覇権戦争、貿易摩擦、技術覇権など、両国の争いから大きな影響を受ける東北アジアの問題を中心に話を進めて頂く。
・ウクライナ、ポーランドなどの現地取材も一部紹介する。
- 講演会概要
【テーマ(仮題)】 三つの戦争- トゥキュディデスの罠
【日時】2024年6月1日(土) 14:00~16:30(最大)
【会場】立命館大学衣笠キャンパス 以学館IG 302教室
【講師】 孫石熙(ソン・ソクヒ)・産業社会学部客員教授
【対象】立命館大学学部生、大学院生、一般市民
【講演言語】韓国語(日本語通訳あり)
【参加方法】本学申請フォームより事前予約制