朝鮮族研究学会 特別国際シンポジウム「第二次世界大戦後の在中朝鮮人社会:『満洲国』崩壊から延辺朝鮮族自治州創設まで」
朝鮮族研究学会では来る11月5日日曜日に2023年度全国学術大会を開催します。
特別国際シンポジウムでは「第二次世界大戦後の在中朝鮮人社会:『満洲国』崩壊から延辺朝鮮族自治州創設まで」をテーマに、中国・韓国の碩学と日本国内で活躍する研究者を集めて基調講演と討論を行います。日本では議論されることが少ないテーマですが、東アジアの現代史を考えるうえで大変に興味深い議論が期待されます。ハイブリッド開催です。オンラインの方はご予約ください。午前中のプログラムも含め、多くの方々の参加を期待します。
2023年度朝鮮族研究学会全国大会プログラム
【開催日時】2023年11月5日(日)
【開催方式】対面とオンラインのハイブリッド方式
【対面場所】上智大学四谷キャンパス6号館305
【使用言語】
午前 会員報告:日本語
午後 国際シンポジウム:日本語・韓国語(同時通訳有)
【主催者】
午前 会員報告:朝鮮族研究学会 主催
午後 国際シンポジウム 共同主催:朝鮮族研究学会、上智大学アジア文化研究所
【プログラム】
09:30-10:00 受付
10:00-10:05 開会
会長挨拶 権香淑(上智大学)
総合司会 南玉瓊(お茶の水女子大学)
午前 会員報告
司会:呉茂松(慶應義塾大学)
報告①
10:05-10:20 権太傑(立命館大学文学研究科)
「北満洲における中国官憲の朝鮮人圧迫と日本の対応策(1925年-1931年)」
10:20-10:25討論 谷川雄一郎(神奈川大学)
10:25-10:30応答
報告②
10:30-10:45 権力(一橋大学社会学研究科)
「植民地期朝鮮における満洲への立ち退き移民―漢江水電工事を事例に―」
10:45-10:50討論 朴敬玉(帝京大学)
10:50-10:55応答
報告③
10:55-11:10 李雪明(武蔵野大学)
「中国朝鮮族の『教育水準が高い』歴史的原因」
11:10-11:15討論 金光林(新潟産業大学)
11:15-11:20応答
報告④
11:20-11:35 許秦(慶應義塾大学/神田外語大学)
「中国延辺朝鮮語の教育現況分析-延辺朝鮮族自治州延吉市の朝鮮族学校の事例を通じて-」
11:35-11:40討論 宮島美花(香川大学)
11:40-11:45応答
報告⑤
11:45-12:45 科研報告
金雪(大阪経済法科大学)
「エスニック・コミュニティの変容とソーシャルメディアの活用」
玄善允(大阪経済法科大学)
「在日朝鮮族一世の後続世代に関する展望・期待」
林梅(大阪経済法科大学)
「移民の家族観の変容―在日中国朝鮮族の老親扶養を中心に」
12:45-14:00 昼食・総会
14:10-14:30 午後の受付
午後 国際シンポジウム
第二次世界大戦後の在中朝鮮人社会:「満洲国」崩壊から延辺朝鮮族自治州創設まで
趣旨:1945年8月、帝国主義日本の敗亡と傀儡「満洲国」の崩壊が確定されると、それまで事実上日本の支配下にあった中国東北地方を中心に生活していた在中朝鮮人社会は一挙に流動化します。権力の空白化によって混乱する中国東北地方から「解放」を迎えた故国・朝鮮半島への帰還を目指す者が続出する一方、中国での継続居住を選択した者も、ほどなく本格化する国共内戦(解放戦争)のはざまで、安定した生活の糧を必死に追い求めていました。
国共内戦の終結と中華人民共和国の樹立(1949年)、朝鮮戦争の勃発(1950年)と延辺朝鮮族自治州の創設(1952年)へと至る激動した中国現代史のなかで、朝鮮族はどのように生き抜いたのでしょうか。中国と朝鮮半島を跨ぐ複雑な政治背景を抱えながら、「在中朝鮮人」はいかにして「中国朝鮮族」へと生まれ変わったのでしょうか。第2次大戦終結後に起きた中国の巨大な社会変動を視野に入れつつ、日本では未だ注目されることの少ない中国朝鮮族エスニシティの変遷過程に焦点を当てた興味深い議論と検討を行いたいと思います。中国朝鮮族近現代史を専門にされる廉仁鎬(ソウル市立大学)と孫春日先生(延辺大学)お二人の碩学を国外からお招きし、日本国内の少壮研究者ととともに議論を深めます。
多くの方々のご参加を期待します。
14:30-14:35 趣旨説明 鄭雅英(立命館大学)
14:35−15:35 基調講演:廉仁鎬(ソウル市立大学)
「もう一つの韓国戦争:満州朝鮮人の『祖国』と戦争」
15:35-15:50 休憩
15:50−17:00 討論
孫春日(延辺大学)
李海燕(東京理科大学)
田中隆一(立命館大学)
17:00−17:45 質疑応答・全体討論
17:50-18:00 閉会・写真撮影